やまわんの獣医療のお勉強

やまわんが獣医療に携わって学んだことなど記録していきます

痛みを増強する因子

私たち人間もそうですが・・・

      「痛み」があるのは嫌ですよね。

 

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痛みが強い病気と闘っている愛犬・愛猫を見ていると本当につらいですよね。

私の亡くした愛犬も痛みが強い病気と闘っていて、みているのが本当につらかったです。

 

でも痛みを少しでも和らげてあげる方法(痛みが増強しないようにしてあげる方法)があります。

それは「不安や恐怖」を取り除いてあげることです。

 

なんだ、そんなこと?
と思われるかもしれませんが、これはとても重要なことで

しっかりとした根拠もあります。

 

 

不安・恐怖があると以下の3つの反応が起こります

 

  1. 脳での痛みの閾値を下げて、痛みを感じやすくしてしまう
  2. 交換神経が優位に働いてしまい、そのことで疼痛物質を放出し、痛みを増強してしまう
  3. 下行性疼痛抑制系を抑制してしまい、痛みを増強してしまう

 下行性疼痛抑制系とは、脳が痛みを感じると、痛みから身体を守るために痛みを感じにくくする働きのこと

 

 

つまり、不安や恐怖を取り除いてあげると上記3つの反応は起きず、痛みが増強することを抑えることができます。

痛みがあるだけで、不安や恐怖は増してしまいます。

しかも動物たちはなぜ痛いのか理由がわからないため、より不安になります。

 

不安や恐怖を軽減する一番の方法、それは家族(飼い主)です。

家族から声をかけてもらい、撫でてもらい、そばにいてもらうだけで本当に不安や恐怖はかなり軽減することができると思います。

 

 

痛みに苦しんでいる愛犬や愛猫の痛みを楽にしてあげるために投薬や手術などの治療をすることは多々あると思います。

そのような治療だけでなく、不安や恐怖を軽減してあげることも痛みを和らげてあげる大切な方法です。

痛みに苦しんでいる動物たちが少しでも楽になるように心より願っています。 

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